- 夏のロケット
- 川端裕人 (文春文庫)
非常に残念な小説。設定や粗筋は素晴らしいのに...
自分なりに、駄目な点を分析してみる。
- 主人公が傍観者。何から何まで傍観者。何でこのグループにいるの? 何がしたくてこの場所にいるの?
- 1.と関連することだが、主人公のこのグループ内での立ち位置がわからない。どう考えても、よくて部外者、いってしまうと除け者扱いだよね。この人らは、何でグレーなことをやるときに、除け者である主人公を入れるの? あと、高校生のころ、なんで主人公がこのグループに入れたのかがわからない。打算や妥協ができる大人ならともかく...
- 所々はいるうんちくが鼻につく。はいはい、取材がんばりましたね。でも、(おそらく、人から聞いただけの)詳しい部分と、ほかの部分との詳細さが整合とれてない。どう考えても、訊いたことを作者なりの理解せずに登場人物にしゃべらせてて、それぞれの人物に沿った理解の仕方になっていない。そのせいでうんちく垂れ流しになってる。
すべて相まって、感情移入を拒まれます。小説としては失格。これはあれだな、ノンフィクションの書き方(作者は元ジャーナリストらしい)でフィクションを書いちゃったせいかな。
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